利尻の恋
時雨音羽の『島ものがたり』から取材して渡辺茂編「北海道の伝説」に出ています。
利尻島は錬がさかんにとれた頃には、黄金の島などといわれたそうだが、1748メートルの利尻岳も、山頂には魔神が住んでいて、人が登ろうとすると怪獣があらわれたり、石を投げ落すといわれていたほど、きびしく、おそろしい山でした。
この伝説のように、若い和人の男とアイヌの娘との悲恋の物語は、北海道の各地にあって、決して珍しいものではないが、それが発端となってはじまった戦争に、妖術を使うイムバッコがあらわれて止めようとしたところが、一風変っています。
しかもイムバッコの妖術で、岬の岩が崩れて、形が巨人の顔のようになったり、岩の上に人を食う榔が逆立ちになって出現したりするところが、いかにも利尻島のように地熱で噴きあげた溶岩がいたるところに見られる自然にはぴったりしています。
以上北海道ツアーで聞くことができた伝説でした。